排水性舗装による交通騒音低減効果について (その1) 

小木曽建設株式会社       

品質管理部 谷川 勝彦 

小木曽謙策

○はじめに

近年、道路交通騒音の低減策として排水性舗装などの低騒音舗装が注目されています。一般に自動車騒音といわれるものは、エンジン音に代表される機械系音とタイヤが路面を転動する際に生じるタイヤ/路面騒音の2つに大別されます。

 ではなぜ排水性舗装により道路交通騒音が低減されるのでしょうか?

 排水性舗装は、通常のアスファルト舗装よりも路面の空隙率を多くしたもので、通常のアスファルト舗装が空隙率4%程度であるのに対して、排水性舗装では空隙率が20%前後と高く、この空隙に雨水はもちろん、前述の自動車騒音も吸収され騒音が低減されるのです。

 当社では、最新型フィニッシャを用いた排水性舗装を施工し、道路交通騒音の低減効果について測定を行い、騒音低減効果の検証を行った。

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○騒音の表示・測定方法について

 デシベル(dB)って何?

騒音の測定には現在「デシベル(dB)」という単位が使われています。

ではこのデシベルとはいったいどういう単位なのでしょうか?

簡単に言えば、人間の感じとることのできる最小限の音が0デシベルであり、10デシベルではその10倍、20デシベルでは100倍・・・といったように10デシベル毎に音の大きさには10倍の違いがあるのです。実際人間の耳ではこれほど大きな違いはわかりませんが、実は錯覚しているだけなのです。わずか3デシベル違うだけでも音の大きさは約2倍になるのです。

騒音レベルと身近な音との比較

○騒音の新環境基準における基準値の評価方法について

  1. 評価は、個別の住居等が影響を受ける騒音レベルによることを基本とし、住居等の用に供される建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルによって評価するものとする。この場合において屋内へ透過する騒音に係る基準については、建物の騒音の影響を受けやすい面における騒音レベルから当該建物の防音性能値を差し引いて評価するものとする。
  2. 騒音の評価手法は、等価騒音レベルによるものとし、時間の区分ごとの全時間を通じた等価騒音レベルによって評価することを原則とする。
  3. 評価の時期は、騒音が1年を通じて平均的な状況を呈する日を選定するものとする。
  4. 評価のために測定を行う場合は、原則として日本工業規格Z8731に定める騒音レベル測定方法による。当該建物による反射の影響が無視できない場合にはこれを避けうる位置で測定し、これが困難な場合には実測値を補正するなど適切な措置を行うこととする。また、必要な実測時間が確保できない場合等においては、測定に代えて道路交通量等の条件から騒音レベルを推計する方法によることができる。なお、著しい騒音を発生する工場及び事業場、建設作業の場所、飛行場並びに鉄道の敷地内、これら準ずる場所は、測定場所から除外する

○等価騒音レベル(Leq)とは?

 等価騒音レベル(Leq)とは、不規則かつ大幅に変動する騒音の評価量の一つで、騒音レベルが時間とともに変化する場合に、測定時間内でこれと等しい平均2乗音圧を与える連続定常音の騒音レベルとされています。

 つまり、時間とともに変動する騒音レベルの測定値に対して、この値を時間変動のない一定の騒音レベルで代表させたとき、測定時間内の総音響エネルギーが両者で等しくなるような騒音レベルをLeqと言うのです。

eqは、

一般に主観量との対応がよい。
エネルギー平均値であるため、理論的に取り扱いやすく、予想もしやすく衝撃音にも適用できる。

など多くの特徴をもっており、国際的にも多くの国で環境基準を定めるのに採用されています。

○騒音測定方法

 騒音の測定は、JIS Z8731に定める騒音レベルの測定方法に基づき、JIS C1502に適合した積分形普通騒音計(RION NL−06)を用いて測定を行った。

  

測定箇所は、県道伊那生田飯田線の豊丘ショッピングセンターパルム前で道路端(官民境界)上1.4mである。

今回の測定の趣旨は環境騒音ではなくタイヤ/路面騒音の低減効果を調べる目的であることから測定条件を表−1のように設定し騒音測定を実施した。

  

 施工前                 施工後

表−1 測定条件

大型車はナンバーが00,11,22とし、中型車は上記以外の全てとする。
 

屋外測定

豊丘パルム前

交通量

大型車

中型車

施工前

10分×3回(dB)

施工後

10分×3回(dB)

測定は施工前、施工後において同一条件下で行う。(測定時間、測定箇所、車両条件)
交通量は、施工を行う飯田方面と施工を行わない伊那方面の車線で区別する。

○測定結果

測定日は、施工前が6月26日(月)、施工後が7月7日(金)の同じ時間で行っている。

1回目:9時9時10分

2回目:9時20分9時30分

3回目:9時40分9時50分

今回の測定で得られた結果を表−2に示す。

表−2 測定結果

 

屋外測定 豊丘パルム前

1回目

2回目

3回目

平均

施工前

71.2dB

71.6dB

72.5dB

71.7dB

施工後

68.5dB

70.9dB

68.9dB

69.4dB

 

交通量

飯田方面(施工車線)

伊那方面

1回目

2回目

3回目

1回目

2回目

3回目

施工前

63(8)

68(8)

63(15)

54(10)

71(12)

46(10)

施工後

34(12)

44(7)

58(12)

51(5)

30(14)

43(9)

交通量の( )内は大型車の台数

考 察

 表−2から、屋外での騒音は約2dB低下した事がわかります。

 前述したように音の大きさが3dBで約2倍になる事を考慮すると、騒音の低減効果はあったと考えてよいでしょう。測定条件が違うことから評価には戸惑うところですが、ほぼ同じ条件下で行われた3回目の測定を重視すれば、騒音レベルの低下が認められたといってよいでしょう

 なお、ここでいう測定条件とは、交通量や周辺環境のことで、施工前に比べ施工後の測定では交通量が少なくなったのは事実であります。道路全面をこの工法で施工した場合、より効果が現れるのではないかと思います。

 また施工後2回目の測定では、測定場所付近にアイドリング中のトラックが停車しており、アイドリング中のエンジン音を考慮すると、実際の測定値よりは低くなると考えられます。

 今後の課題としては、騒音測定の方法及び暗騒音(対象外車線のエンジン音や周囲の騒音等)の影響、さらには施工から数ヶ月後の騒音測定の必要性が挙げられます。これらの問題に対しては、現在一部の騒音測定で使われているRAC車という路面騒音測定車を使えば問題は解決するでしょう。しかしながら、現在RAC車は日本に数台しか存在していないため、JIS Z 8731で定められた測定方法を採用してみました。

 今回の排水性混合物は空隙率が18%のものを用いました。これを20%程度にした場合、より低騒音効果が期待されると思います。今後、社内の試験施工においてこの部分においても確認してゆきたいと思います。

 

○最後に

 今回の施工及び騒音測定は、当社としても初めての試みで多少の不安はありましたがまずまずの結果が得られました。

 また、今回の結果をふまえ薄層排水性舗装の施工に大きな自信を得ることができました。

 21世紀を目前にし変貌を遂げつつある道路事情において、環境面及びコスト縮減面を重要視した場合に今後主流となるであろう排水性舗装の更なる研究と技術力の向上を目指して頑張っていきたいと思っております。

最後に今回の施工にあたりご協力くださった方々ならびに周辺住民の皆様に深く御礼申し上げます。

全車線を排水性舗装に施工した結果の騒音測定もしました。(その2)

視認性の向上効果についても検証しました。

今回の測定レポートについてご意見をお寄せください。

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